そもそも株式って何?

投資の基本(初心者向け・長期投資)

仮にあなたが起業して会社を作るとします。会社を作るには資金が必要です。

オフィス、商品、従業員その他もろもろも必要ですがまず最初に資金がないとどうにもなりません。

銀行に融資してもらったりという手もありますが、株式の話なのでここでは出資者に資金提供してもらうことについて説明します。

出資者が10人集まったとしましょう。お金を出してもらう時に3つ条件を出されます。それは、

1.会社が利益を出したらその利益を配当金として10人で分け合う権利を持たせろ

2.会社の大事な経営方針などを決める時は我々も会議に出席し、参加させろ(株主総会)

3.もし会社が潰れるようなことになったら、残った会社の資産を我々10人で分ける権利をもらう

というものでした。そして証書を作ります。これが株券というやつです。(現在は完全電子化していて紙の券はありません)

株式って何?の答えとしてはざっくりと上記の権利のことだと思っておけば大丈夫です。

さて、あなたは資金が集まって会社に必要なものをそろえられそうです。

あなたを社長(経営者)として社員を集めて会社をまわしていきます。社員や自分の給料も会社の利益の中から受け取ります。

では、ここで質問です。会社は誰のものでしょうか?

社長のもの、ではありません。この会社は出資者(株主)たちのものです。要はお金を出した人たちのものになるわけです。

出資した資本家たちを頂点として、労働者の労働力を使って利益を作る仕組みです。思いっきりざっくり言えばこれが資本主義です。

では、歴史をからめて株式会社について見ていきましょう。

世界初の株式会社は1602年のオランダの東インド会社と言われてます。 

大航海時代、当時ヨーロッパでは超高級品だった香辛料を手に入れるるために船旅でアジアを行き来してました。

その航海にお金持ちたちがスポンサーになって出資する代わりに、無事香辛料を積んでヨーロッパまで帰ってきたときの利益を出資者たちで分ける仕組みから株式会社は始まりました。 

出資者(株主)たちは航海の成功率を上げるために優秀な船長(経営者)と船員(社員)を資金で集めます。この時代の船旅は命がけだったので船が帰ってこなければ投資した出資金はパーです。 

初めは一回戻ってくればそこで出資者たちは清算をして利益分配して次の航海があればまた出資者と新たに乗組員を集めていました。 

そうするうちに出資者たちは利益を分配せずに次の航海資金にまわすことを始めました。利益分も加えてさらに資金をかけてより良い船、より良い乗組員を集めて航海成功の可能性を上げていきました。

この利益分も再投資にまわす仕組みがアインシュタインに「人類最大の発明」と言わしめた「複利」というやつです。この複利の力を使って出資者たちは莫大な利益を生み出していきました。 

この仕組みは優秀なので現代に至るまで使われてるわけです。

株を買って持つ、ということは「会社に出資して所有権を持つ」ことになります。その会社が出した株式の数に分割された所有権なので微々たるものですが、所有権は所有権です。

会社の事業が世界や国などの社会にとってすごく良いことをしていれば、その株を持っているあなたも社会にとってすごく良いことをしていることになります。つまり、

「お金の社会参加」をしているということですね。

実際には儲けたいからだとしても社会貢献も兼ねているのは悪い気しませんよね。

それに儲けたい、は立派な理由です。非難する人こそ得するか損するかしか見てない浅い考えなわけで、そんな人も絶対に儲かる話(そんなのないですが)があったら儲けたいから飛びつくと思います。

要は株式に投資するのは社会を豊かにするのに一役買ってる、てことです。

ただしこれは中長期で保有している場合で、短期取引をするトレードは社会参加というよりマネーゲームです(トレードによって一旦値を下げることが買いタイミングになることもあるのでトレードを否定するつもりは全くありません)。

株式投資は目的によって

・企業や社会の成長に投資して社会参加する中長期の投資

・値動きの差益を得る短期の投資(トレーディング)

の2種類に分けられるということです。

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