【社会人がいまさら聞けないお金の基本3】経済と金融ってそもそも何?

お金の知識

今の大人は学校教育でお金について何も教えられないまま社会に出され、何となく昔からの考え方のままで過ごしてる人がほとんどです。

平成の30年を経て世の中は劇的に変化し、お金の知識がない人たちはあからさまな搾取対象になってます。サギだけでなく、企業や国からもです。

年金などの社会保障制度や税金、経済の仕組み、もっと身近でいえばキャッシュレス、円高円安、需要と供給などの基本的なことも

「社会人なら知ってて当然」

みたいな空気があります。もしあなたが

「知らないのは自分だけ?」

と不安に思ってるなら、大丈夫です。

ちゃんと知ってる人なんてほとんどいません。

国を動かしてる人たちですらそうなのです。

“知ってるつもり” が大多数、だから一緒に学びましょう!

1.経済は “お金のやりくり”

略語+訳語

経済という言葉はもともと経世済民けいせいさいみん(世をおさめて民の苦しみをすくう)という言葉が縮まって定着したものです。

幕末ごろにはすでにお金に関わること生産・流通活動のような現在の意味合いを含むようになりました。

英語のeconomyの語源は古典ギリシャ語では “家計術” を意味する言葉だったようです。

近代には国家規模での家計というように意味合いが広がっていったのでpolitical economy(政治経済)というようになり、その訳語として経済が選ばれました。

生産・流通・消費

経済というのは下図のように、人や社会が行う活動とそれに伴うお金の流れ(やりくり)ということができます。

人が生活していくための製品・サービスを生産、流通し、最終的に個人の手に渡って消費されるまでの流れが基本です。

この流れを物々交換や無償ではできないので原動力としてお金が必要です。

原材料を仕入れる、製造する、保管する、運ぶ、お店に仕入れる、売る、これらを手掛ける人々の労働、消費者が買う、どれにもお金が必要です。

一言でいえば、個人レベル~社会レベルの “生産→消費でのお金のやりくり” です!

次項で細かく見てみましょう。

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2.生産と流通

生産

形があるモノと形がないサービスに分けられ、モノは自然から得る第一次産業と加工して作る第二次産業に大別できます。

流通

形があるモノにだけ当てはまり、保管・輸送・小売に大別できます。

循環型経済

生産→流通→消費の流れが一直線で、消費の後に廃棄しかない経済を直接型(リニア)経済といいます。

生産しては消費して廃棄するので環境と資源の問題が生じ、廃棄から再利用できるものを再利用(リサイクル)する考えができました。

これをリサイクリング(リユース、3R)経済といいます。

3Rとは?

ゴミを

Reduce(減らす)

Reuse(再利用する)

Recycle(資源として再活用する)

です。

現代では廃棄をゼロにしてリサイクルの輪をつくる、循環型(サーキュラー)経済への取り組みが期待されてます。

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3.経済主体と金融

経済主体

主に、家計・企業・政府の3つに分けられます。

3者がバランスを取ることでうまく循環して安定した社会が保たれます。

このバランス取りに大事な要素が “金融” です。

金融とは?

金融とは金銭の融通の略で、

お金を多く持っている方から不足してる(需要がある)方へ、貸借・売買などのやり取りをする

ということです。

これもまた個人レベル~社会レベルでのことです!

日本銀行→市中銀行(民間銀行)や、銀行→企業(=融資)、銀行→個人(=住宅ローンなど)、さらには親→子(=小遣い)なんかも金融と言えるでしょう。

前述の経済主体3者での金融は、

家計→お金を持っている方

企業・政府→不足してる(需要がある)方

となってます。

家計から企業の金融の仕組みは次項で解説します。

金融は経済の血液

経済をうまく循環させるにはお金という原動力がしっかり回ることが必要です。

金融にはお金の回りを活発にするという大事な役割があります。

もし金融というものがなかったら、

・政府はインフラ整備や社会保障ができません。

・企業は設備投資や事業拡大できません。

・家計は車や家のように必要だけど高額なものが買えません。

つまり、経済が循環しなくなって人々の生活がきつくなります。

経済を人の体に例えるならお金は酸素や栄養素、それを動かす金融が血液といったところです。

金融が停滞=血栓ができた、と考えたら危険ですね!

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4.直接金融・間接金融

企業が投資家(家計)から資金調達をするときには2つの流れがあります。

まずは下図を見てください。

このように直接金融と間接金融という形があります。

投資家は株式や債券を証券会社を通して買いますが、あくまでも仲介という位置づけなので直接ということになってます。

投資家の側から見ると、

直接金融:証券会社が仲介して、投資家と企業が直接お金のやり取りをする(なのでリスクは投資家が取る)

投資家は株式や債券を自分で選んで直接お金を出す

間接金融:銀行が2者の間に入るので、別々のお金のやり取りになる(なのでリスクは銀行が取る)

投資家は銀行に預けるだけで、運用は銀行がするので選べない

という違いがあります。

今度は企業側から見ると、直接金融では主に長期的な資金を、間接金融では短期的な資金を調達します。

直接金融で投資家から調達するには株式か社債を発行し、証券会社の仲介で買ってもらいます。

設備投資や研究開発費などが主な用途です。

間接金融では銀行からの融資以外に、機関投資家などに社債を買ってもらうことで調達できます。

原材料費や人件費などの経費が主な用途になります。

一方、政府や地方自治体の資金調達は家計や企業からの多種多様な税金債券発行です。

税金、債券については別の機会でそれぞれくわしく解説します。

経済と金融について見てきました。

まとめると個人~社会全体まで規模の差はありますが、

経済:生産→消費に至るまでのお金のやりくり

金融:経済を滞りなく回すためにお金を流す

ことです。

普段の生活で日用品を買うことも金融で、経済を回すことになってるわけで実はとても身近なことなんですね。

そして前回学んだ通りお金の価値は政府が保障しているわけです。

国家間のお金の価値は需要と供給(為替レート)で常に変わります。

次回は価値の “需要と供給” の基本と、これによって変わる為替の基本を円高・円安を通して学んでいきましょう。

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